
🟢 はじめに
⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『anemoi』小詠ルートの重大なネタバレ(物語の核心に迫る設定など)を含んでいます。
まだクリアしていない方や、これからご自身で「奇跡の結末」を見届けたい方は、ぜひ小詠ルートをクリアした後に、またここへ遊びに来てください。
今回は、Keyの最新作『anemoi』に登場する
から深い感動を受け、一人のファンとしてSuno AIで制作した
と、そのアレンジバージョンの制作裏話をお届けします。
本作の小詠ルートは、
と、
そして
など、涙なしでは語れないエモーショナルな展開が連続します。
今回はそんな小詠の視点に立ち、
を丁寧に言語化しながら、
を使って、楽曲として形にしていきました。
完成したアレンジ違いの3つの楽曲たちはこちらです。
🎵 オリジナル版:『最後の手紙』
🎹 R&Bポップ版:『永遠(とわ)の絆』
🎸 バンドサウンド版:『色づく旅路』
この記事では、
というAI作曲の初心者にも分かりやすいように、私が制作過程で試行錯誤しながら見つけたノウハウをお伝えしたいと思います。
🔹情景を音に乗せるための「作詞」の工夫
🔹世界観を決める「楽器」の選び方
などをお伝えしたいと思います。
それでは、
と一緒に、楽曲制作の裏側へ出発しましょう🕊️
🕊️ 楽曲のメインテーマ:小さな鳥の「罪と赦し」
今回の楽曲制作にあたり、全体のコンセプトを以下のように設定しました。
楽曲の展開は、作中にも登場する
のように、
を意識して作詞を行っています。
【起】Aメロ
と、
という痛切な罪悪感(色褪せた世界)。
【承】Bメロ
主人公の麦との旅路。
によって、少しずつ色付いていく日常の愛おしさ。
【転】Cメロ
と、
【結】大サビ~アウトロ
罪の意識から解放され、
となって見守り続ける「永遠の絆」。
🎵 バラード路線の試練と、2000年代R&Bポップへの目覚め
コンセプトが固まり、いざSuno AIを使って作曲をスタートしたのですが……ここで壁にぶつかりました。
当初は、Key作品のクライマックスで流れるような、
を想定してプロンプトを組んでいました。
しかし、実際に生成された曲を聴いてみると、
になってしまい、自分の中でどうしても「しっくりこない」感覚がありました。
そこで思い切って方向性を大きく変え、私の青春時代に流行していた
のエッセンスを取り入れてみることにしました。
や、
のような、
です。
この路線変更が功を奏し、
に、
が加わることで、
が、
となって弾け飛びました。
今回の楽曲制作を通じて、
と、自分自身のメロディの好みに改めて気づくことができたのは、思わぬ収穫でした。
それでは、具体的にSuno AIにどのような指示を出して
を生み出したのか。
今回の楽曲制作でこだわったプロンプトと作詞の裏側をご紹介します。
🪄 Suno AIに指示を出すスタイルタグ
Suno AIで思い通りの楽曲を作るためには、「Style of Music(曲全体のジャンル)」と、歌詞の各セクションに書き込む「スタイルタグ([Style: 〇〇])」という2つのプロンプトを使いこなす必要があります。
今回は、バラードの「しっとり感」を回避し、
🎵 1. 曲の土台を決める(Style of Music)
まずは、楽曲全体のジャンルや雰囲気を決定づける一番重要なプロンプトです。
💡 工夫ポイント:
ただ「R&B」と指定するだけでなく、upbeat 16-beat groove(アップテンポな16ビート)や extremely catchy melody(極めてキャッチーなメロディ)という言葉を入れることで、楽曲全体が平坦になるのを防ぎます。
また、小詠の泣いて笑う心情を表現するために、emotional yet uplifting(切ないけれど気分が上がる)という感情の指示をかけています。
🎵 2. サビへ向けて期待感を高める(Pre-Chorus)
Bメロ(Pre-Chorus)は、サビに向けてパワーをチャージする重要な助走区間です。
💡 工夫ポイント:
バラードのようにテンポを落として溜めを作るのではなく、ビートを止めずに16ビートのノリをしっかりキープさせます。ボーカルに言葉をリズミカルに弾ませて歌わせ(rhythmic vocal delivery)、少しずつパーカッションの音数を増やしていくことで、聴く人を飽きさせない展開を作りました。
🎵 3. 感情とグルーヴの大爆発(Chorus)
いよいよ、楽曲のメインとなるサビです。ここで小詠の想いを一気に弾けさせます。
💡 工夫ポイント:
「Love, Day After Tomorrow」の最大の魅力である「跳ねるようなベースライン(bouncy bassline)」と「重厚なコーラスワーク(layered harmonies)」をAIに指示しています。極上のグルーヴとキャッチーなメロディが組み合わさるプロンプトです。
🎵 4. ギャップを生む「静寂」(Bridge)
「樹洞ポストでの奇跡」という物語の核心を描くCメロでは、J-POPのテクニックである「ビートドロップ(音の急停止)」を使いました。
💡 工夫ポイント:
前半はすべてのビートを取り払い、エレクトリックピアノと小詠の囁き声(intimate vulnerable whisper)だけの静寂を作ります。そして後半、「赦しの涙が…」の歌詞のあたりから、スネアドラムが細かくリズムを刻み始め(16-beat snare build-up)、最後の大サビに向けて一気に熱量とテンションを引き上げます。
🎵 5. 温かい余韻を残すフェードアウト(Outro)
RPGのエピローグにあたるアウトロ。最後は、テンポを落とさずにR&Bの心地よいノリを残したまま終わらせることにこだわりました。
💡 工夫ポイント:
アップテンポな曲で急にテンポを落とすと不自然になるため、心地よいグルーヴを残したまま少しずつフェードアウト(fading out smoothly)させます。そして、曲が完全に消え入る直前に「…行ってらっしゃい」というセリフ(spoken whisper at the end)をそっと差し込むことで、エモーショナルな余韻を生み出しました。
✍️ Suno AIが心地よく歌うための「作詞の工夫」
Suno AIでの作詞は、ただ文章を書くのとは少し違います。
それはまるで、メロディという「決まった大きさの箱」に、言葉という「綺麗な石」をパズルみたいに並べていく作業によく似ています。
箱に対して石(文字数)が多すぎると、AIは無理やり詰め込もうとして早口になってしまいます。
AIにゆったりと感情を込めて歌ってもらうために実践した、3つの工夫をご紹介します。
1️⃣「早口」を防ぐための引き算(文字数調整)
Suno AIが早口で焦って歌ってしまう時は、情景を保ったまま言葉を削る「引き算」が効果的です。
文字数を減らすことで、ボーカルがワンフレーズを長く伸ばして歌えるようになり、サビにスケール感が生まれます。
【After】 本当の姿じゃないと うつむいた
【After】 重たい荷物 下ろして見上げた
このように、語尾を少し短くしたり、助詞(を・に・は)を省いたりするだけでも、メロディに美しいゆとりが生まれます。
2️⃣日本語の美しさを引き出す「7音・5音」のリズム
J-POPのメロディに最も心地よくハマるのは、日本人が昔から親しんでいる「7音」と「5音」のリズムです。
AIもこのリズムの箱に言葉を当てはめてあげると、素晴らしいグルーヴを生み出してくれます。
【After】 風となって 永遠(とわ)の絆へ
「え・い・え・ん(4音)」だと少し言葉が重たく詰まる可能性がありますが、読み方を「と・わ(2音)」に変更することで、「と・わ・の・き・ず・な・へ(7音)」となり、メロディにピタッと美しく収まります。
3️⃣「丁寧語」と「心の声(口語)」の使い分け
歌詞の語尾をどうするかで、AIの歌い方や感情の込め方は大きく変わります。
未練はもう ありません
私は今、 旅立ちます
未練なんて もうないから
私は今 旅立つよ
小詠のキャラクター性を考えると「丁寧語」も非常に手紙らしくて魅力的なのですが、今回は大サビでの感情の爆発と疾走感を優先し、「心の声(口語)」で統一しました。
その代わり、最後のアウトロのセリフだけを「…行ってらっしゃい」と語りかける構成にすることで、より深い余韻を演出しています。
🍃 おわりに
小詠ルートをクリアして私の胸を最も強く打ったのは、
最後の別れを経て、無色透明の風となっていつまでも麦の背中を見守り続けるピリカ。
その「永遠(とわ)の絆」がもたらした深い感動と温かい涙を、こうして自分なりの音楽として形に残すことができて、本当に楽しい時間を過ごすことができました。
🎧 自分の「好き」を再発見できた楽曲制作
今回のインスパイア楽曲制作を通じて一番の収穫だったのは、Suno AIというツールを通して、自分自身の「好きなメロディの軸」がはっきりと見えたことです。
しっとりとしたバラードも素敵ですが、
Suno AIを使った音楽制作は、好きな作品の余韻をさらに深く、色鮮やかにしてくれる最高の体験だと思います。
かなり長くなってしまいましたが、最後までこの「制作裏話」にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!