Atelier Koti 〜音楽とデザインの記録〜

音楽制作 / デジタルアート / 星読み×IT 🎨「音(音楽)」「光(デザイン)」「風(anemoi)」が集まるアトリエ🌿

【ネタバレ注意】【Suno AI作曲】作詞とプロンプト 〜『anemoi』華押つづら インスパイア楽曲制作の裏側〜

「閉じ込めた香り」サムネイル画像(Adobe Fireflyで作成)

🟢 はじめに

⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『anemoi』つづらルート重大なネタバレ(物語の核心に迫る設定など)を含んでいます。

まだクリアしていない方や、これからご自身で「奇跡の結末」を見届けたい方は、是非つづらルートをクリアした後に、またここへ遊びに来てください。

ここから先は『anemoi』つづらルートのネタバレを含みます(クリックして読む)

今回は、Keyの最新作『anemoi』に登場する

華押つづらの物語

から深い感動を受け、一人のファンとしてSuno AIで制作した

インスパイア楽曲「閉じ込めた香り」

と、そのアレンジバージョンの制作裏話をお届けします。


時計が止まったような廃駅舎の喫茶店

のっぺらぼうの氷の世界感情を閉じ込めていた彼女が、温かい絆に触れ、やがて最高の笑顔を取り戻していく軌跡……。

あの心を揺さぶる情景と感動「音」で表現したいと思い、

AI作曲ツール(Suno AI)

を使って作曲してみました。


完成したアレンジ違いの3つの楽曲たちはこちらです。

🎵 オリジナル版:『閉じ込めた香り』

youtu.be

🌇 ノスタルジー版:『最後の瓶』

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🌌 ワルツ版:『星降る夜のワルツ』

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この記事では、

感動を与えてくれた作品のイメージソングを作ってみたい

というAI作曲の初心者にも分かりやすいように、私が制作過程で試行錯誤しながら見つけたノウハウをお伝えしたいと思います。

🔹Suno AIを思い通りに操るための「プロンプト」のコツ

🔹情景を音に乗せるための「作詞」の工夫

🔹世界観を決める「楽器」の選び方

などをお伝えしたいと思います。

それでは、

大豆コーヒーの香りが漂う喫茶店「CAFE O-PUN」

の扉を開けて、楽曲制作の裏側へ出発しましょう☕️


🗺️ 楽曲のコンセプト

Suno AIで作曲を始める時、いきなりAIに

「切ない曲を作って!」

指示(プロンプト)を出すのは、地図を持たずにダンジョンに飛び込むようなものです。

AIの気まぐれな生成

に振り回されないためには、まず自分の中で

「どんな物語を描きたいか」という地図(コンセプト)を描くこと

が大切です。

今回の楽曲「閉じ込めた香り」では、

つづらの心境の変化

を表現するために、以下のようなテーマとルートを設定しました。

🔑 物語のメインテーマ

🔸嗅覚(プルースト現象)による記憶のフラッシュバック

🔸手の温もりによる「心の氷」が溶けてゆく

大豆コーヒー古い本の「匂い」が引き金となって過去の記憶が蘇る様子と、

冷え切った彼女の世界が、

主人公の麦の「手の温もり」

によってゆっくりと溶かされていく過程を、楽曲全体を通して描くことにしました。

🚶‍♀️ 感情のグラデーション

曲の展開に合わせて、彼女の感情がどう動いていくのかを細かく設定していきます。

🎶 Aメロ(静寂と防壁)

舞台は廃駅舎の静かな喫茶店

もう誰も失いたくない

からこそ、

嫌な感情をコーヒーのミルで挽き、瓶に閉じ込めてしまう「氷の世界」の日常

を描きます。

🎶 サビ(温もりという回復魔法)

つづらが過去と向き合う場面で、

「ただ手を繋ぎ続ける」

という温かい行動に出るシーン。

この温もりによって、心の氷が少しずつ溶け始めます。

🎶 Bメロ〜Cメロ(過去との対峙)

「なんでひとりにするの?」

という、

抑え込んできた悲痛な叫び

の吐露。

自身も過去と向き合い、

二人が互いの傷を認め合いながら「対等な歩幅」で歩き出す

最も感情がぶつかり合うポイントです。

🎶 大サビ(最高のカタルシス)

ここが楽曲の最大のハイライトです。

無表情だった彼女の顔に、

怒って、泣いて、照れて、落ち込んで

といった色鮮やかな「感情」が戻り、

太陽のような満面の笑みが咲き誇る瞬間

を音で表現します。

🎶 アウトロ(温かい余韻)

数年後、

いつもの席で「おかえり」と微笑み合う

穏やかな未来。

最後はコーヒーの香りが漂うように、静かにフェードアウトしていきます。


🎸 喫茶店の情景を呼び覚ます「楽器」

コンセプト(地図)が決まったら、次はそれを音にするための楽器選びです。

RPGでボスに挑む前に、キャラクターの特性に合わせて「炎の剣」や「癒しの杖」を装備させる

のと同じように、Suno AIにも

どの楽器でどんな感情を表現してほしいか

を的確に指示することで、楽曲のクオリティが劇的に変化します。

今回の『閉じ込めた香り』の世界観を表現するために、以下の楽器たちを選びました。

🎹 フェルトピアノ(Felt Piano)〜瓶に閉じ込めた感情〜

曲の出だし(Aメロ・Bメロ)を飾る重要アイテムです。

ピアノの弦にフェルトを挟んで音をこもらせたこの楽器は、

モコモコとした優しく温かい音

が鳴ります。

この音色が

「瓶の中に閉じ込めた感情」

「閉ざされた静かな廃駅舎」

の雰囲気を表現してくれました。

🎸 アコースティックギター(指弾き / Fingerstyle Guitar)〜離さない手の体温〜

木製の家具が並ぶカフェの「オーガニックな温もり」

を表現するのに欠かせない楽器です。

ピックでジャカジャカと激しく弾く

のではなく、

指で優しく弾く(アルペジオ)指定をする

ことで、

主人公の麦つづらの手をそっと握り続ける「温かい安心感」

を生み出しています。

🥁 ブラシスネア(Jazz Brushes / Brushed Snare)〜ミルで豆を挽く日常〜

激しいドラムスティックの代わりに、

ワイヤーブラシでスネアドラムを「サシャッ、サシャッ」と擦る音

です。

この擦過音が、

手動のコーヒーミルで豆を挽く音

や、

静かに流れる日常の時間

を絶妙に連想させてくれます。

🎷 クラリネット / オーボエ(Clarinet / Oboe)〜古い本とコーヒーの香り〜

空を飛ぶような軽快なフルートではなく、

少し哀愁があって、土の匂いや木の温もりを感じる木管楽器

を選びました。

古い本や大豆コーヒーが香る、少しセピア色がかったカフェの空気感

にぴったり寄り添ってくれます。

🎻 チェロ(Cello)〜隠してきた深い悲しみ〜

人間の声に一番近いと言われる低音楽器です。

つづらが隠してきた「深い悲しみ」や「お姉ちゃんがいなくなった寂しさ」

を、切なくも温かい音色で代弁してくれます。

Bメロからサビに向かって感情が溢れ出すように鳴り響く

この曲のメイン楽器です。

✨ グロッケンシュピール(鉄琴) / オルゴール〜星空と笑顔〜

Cメロ(ブリッジ)落ちサビ、そして彼女が

「満面の笑み」を取り戻す瞬間

にだけ鳴らす楽器です。

一緒に見上げた「北極星(ポラリス)」の輝き

や、

心にポッと明かりが灯った瞬間

を、キラキラした音色で鮮やかに彩ります。


💡 氷が溶けて春が来るような曲の「展開」

前半は静かなフェルトピアノアコースティックギターで始まり、サビチェロが泣き、そして大サビオーケストラのように感情がブワッと溢れ出す……。

このように

楽器の足し引きを意識する

ことで、

「静寂から感情の爆発(カタルシス)へ」

というコンセプト通りの曲を作ることができました。

🪄 気まぐれなAIを導く「プロンプト」

楽器が決まったら、いよいよSuno AIという気まぐれな吟遊詩人プロンプトで指示を出していきます。

Suno AIはとても優秀ですが、ただ「切ない曲」とだけ伝えても、どんな風に泣けるのかまでは汲み取ってくれません。

そこで、

AIの力を引き出すための「プロンプトのコツ」

をいくつかご紹介します。

💡 感情の波を作る「王道プロンプト」

まずは、

ベースとなる曲調を指示する「Style」

の書き方です。

今回のオリジナル版『閉じ込めた香り』では、

静かな日常からサビでのカタルシスへ向かう波

を作るために、こんなプロンプトで指示を出しました。

Acoustic cafe pop building to soaring orchestral climax, female vocal, lo-fi piano, clarinet, brushed snare, strings

ただの切ないアコースティックなメロディだけでなく、

building to soaring orchestral climax(壮大なオーケストラのクライマックスに向かって盛り上がる)

と指示することで、

サビに向かってどんどん感情が溢れ出すような、ドラマチックな展開

を作ることができます。

💡 テンポ指定で「強がり(防壁)」を表現する

悲しい過去を抱えている

からといって、

曲全体をどん底のように暗くスローにする

のは避けたいところです。

[Tempo: gentle upbeat]

あえて少し軽快な gentle upbeat を指定することで、

「無理をして日常を普通にやり過ごそうとしている、彼女の強がった明るさ(心の防壁)」

を表現しました。

この少し明るいテンポが、後のサビの切なさをより引き立ててくれます。

💡 感動を生み出す「Tear-jerking」

Suno AI

「ここは絶対に切なくて泣けるメロディにして!」

と強く念押ししたい時に使えるプロンプトがあります。

[Style: Acoustic J-Pop Ballad, Melancholy, Retro Cafe vibe, Tear-jerking]

Tear-jerking(お涙頂戴、泣ける)というタグを入れることで、AIが

感動的なコード進行やメロディライン

を優先して生成してくれやすくなります。


⚠️ アウトロのノイズを防ぐ

Suno AIを使っているとよくある

「曲が終わったのに、無音やノイズがダラダラ続いてしまう現象」

を防ぐテクニックです。

[Outro]
これからは ずっと いっしょだよ
[End]
[Silence]

現在のSuno AIには、

曲の後半の不要な部分だけをスパッと切り取る機能

がありません。

そのため、

歌詞の最後に [End] だけではなく [Silence]というタグを重ねて念押しする

ことで、曲を綺麗に終わらせることができます。


🖋️ 言葉を「情景」に変える歌詞の工夫

Suno AIは、私たちが入力した歌詞の言葉一つひとつから

「どんな風に歌えばいいか」

を感じ取ってメロディを作ってくれます。

そのため、

作詞の段階で言葉選びを工夫する

ことで、AIの表現力は驚くほど豊かになります。

私が今回の『閉じ込めた香り』を作る際に行った、3つの作詞の工夫をご紹介します。

💡 五感(音や匂い)のスパイスを足す

情景描写の解像度を上げる

ため、AIがニュアンスを込めやすい

「五感に訴える言葉」

を付け足しました。

※楽曲が完成する前のドラフト段階の歌詞です。

【Before】
静かな駅舎の 喫茶店
コーヒーミルで 豆を挽く

【After】
静かな駅舎の 古い喫茶店
コーヒーミルで カラカラ豆を挽く

「古い」「カラカラ」といった視覚や聴覚に訴える言葉(スパイス)

を少し足すだけで、Suno AIの歌い方にグッと深み哀愁が生まれます。

「インクの香り」

なども同様に、情景を音に乗せるための大切なスパイスです。

💡 文字数を揃えて「メロディの階段」を作る

サビ前のBメロ(Pre-Chorus)

は、

感情を徐々に高めていく重要な助走区間

です。

ここでAIが綺麗なメロディを作りやすいように、文字数(音数)を整えます。

※楽曲が完成する前のドラフト段階の歌詞です。

【Before】
コーヒーミルで カラカラ豆を挽き
ガラスの瓶に 閉じ込める

【After】
カラカラと 苦い痛みを挽き潰し
蓋をして ガラスの瓶に閉じ込める

1行目と2行目の文字数のバランスを整える

ことで、AIが階段を上るような

ビルドアップ・メロディ(盛り上がり)

を作りやすくなります。

さらに

「苦い痛み」「蓋をして」

重みのある言葉を補うことで、

ガラス瓶に感情を封印する悲壮感

を強調しました。

💡 主人公の「独白」に変えて伏線を張る

ただ状況を説明するだけでなく、

ノベルゲームの劇中歌

のように

「つづらの心の声(独白)」

がそのまま歌になるよう、言葉の矢印を内側に向けました。

【Before】
もう失いたくないから 何もいらない
のっぺらぼうの 氷の世界

【After】
誰も見たくない もう誰も失いたくない
のっぺらぼうの 氷の世界で

この平和な日常には

「笑顔も瓶に閉じ込めてしまった悲しい秘密」

があること。

サビでの「感情の解放(カタルシス)」とのギャップ

を際立たせるため、あえてAメロ・Bメロ

「笑顔は4回だけ」「誰も見たくない」

といった伏線を散りばめました。


☕️ 結び(エピローグ)〜一緒に開けた、最後の瓶〜

この記事の最後に、

なぜ私がこれほどまでにこの楽曲を作りたかったのか

その理由をお話しさせてください。


物語の終盤。

淡雪が去ってしまう

という現実を前に、つづらは

「自分がいつまでも過去から逃げているからだ」

と気づき、ついに

ずっと目を背けてきた過去と向き合う決意

をします。

震える手で「最後の瓶」を開けようとする彼女。

その時、隣にいた麦は何も言わず、ただそっと彼女の手を強く握り、静かに見守り続けていました。

そして、

固く閉ざされていた最後の瓶の蓋

が開いた瞬間——。

彼女の顔に、

怒って、泣いて、笑って……

色鮮やかな「表情」「本当の感情」が一気に戻ってきました。

その一連のシーンを画面越しに見つめていた時、

まるで自分自身がつづらと一緒に過去を乗り越え、重たい心の扉を開け放ったかのような強烈なカタルシス

に包まれ、涙が止まりませんでした。

あの時、彼女が見せてくれた

「太陽のように柔らかく、最高の笑顔」

あの瞬間に感じた

言葉にできないほどの感動と感謝

を、どうにかして楽曲として残しておきたかった。

それが、今回Suno AIで作曲したいと思った一番の理由です。

この『閉じ込めた香り』という曲が、

同じようにつづらの物語に心を揺さぶられた方

や、

これからSuno AIで作曲を始める方

にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。


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