
🟢 はじめに
⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『anemoi』淡雪ルートの中盤(物語の核心に迫る設定、淡雪の正体など)に関するネタバレを含んでいます。
まだプレイしていない方や、これから新鮮な気持ちで淡雪ルートをプレイしたい方は、ぜひ本編を進めた後に、またここへ遊びに来てください。
Keyの最新作『anemoi』淡雪ルートに出てくる「泡宇宙(あわうちゅう)」という言葉。
実はこれ、Keyの独自の造語ではなく、実際の宇宙物理学(宇宙論)に存在する科学用語になります。
でも、『シュタインズ・ゲート』などでよく聞く
とはどう違うのでしょうか?
今回は、
について紐解いてみたいと思います。
🫧 宇宙物理学における「泡宇宙」とは?(超巨大なマクロの世界)
まずは、
についてです。
これは宇宙物理学(インフレーション理論)で語られる、スケールがとてつもなく大きなマクロの世界のお話です。
🍲 例え話:お鍋で沸騰するお湯
お鍋でお湯を沸騰させると、底の方から「ボコッ、ボコッ」とたくさんの「泡」が生まれては浮かんできますよね。
現在の宇宙物理学では、この宇宙全体は
だと考えられています。
その中で、ある時フッと膨張が落ち着いた場所ができると、そこに私たちが知っているような「宇宙(泡)」が誕生します。
つまり、
という考え方です。
そして、お鍋の中に泡がいくつもあるように、私たちの宇宙の外側には、別の泡(別の宇宙)が無数にポコポコと存在しているかもしれないのです。
🎮 ゲームで例えると:別サーバーの全く違うゲーム
実は、この
は、
と考えられています。
🫧 私たちの泡宇宙(サーバーA)
重力や光があり、人間(キャラクター)が存在できる設定のゲーム。
🌌 お隣の泡宇宙(サーバーB)
重力が強すぎて生まれた瞬間に潰れる設定だったり、そもそも「素粒子」というデータが存在しない、全くルールの違う別ゲーム。
現実の宇宙物理学では、
は限りなくゼロに近く、システム自体が違う
のようなものなのです。
⚛️ 素粒子と世界線(超極小のミクロの世界)
次に、『シュタインズ・ゲート』などでおなじみの
のお話です。
こちらは、先ほどとは真逆の
になります。
🎮 ゲームで例えると:同じゲームの「セーブデータの自動分岐」
世界を作っている最小のブロックである「素粒子」。
これはゲームで言えば、
のようなものです。
この極小の世界では、
という、私たちの常識が通用しない不思議なルールがあります。
目の前に
があるとしましょう。
素粒子の世界(多世界解釈): あなたが選択した瞬間、世界が細胞分裂のように「パキッ」と2つに枝分かれします。
世界線β(セーブデータ2): 宝箱を開けなかった世界
このように、
という
という考え方が、「世界線(パラレルワールド)」です。
✨ なぜ『anemoi』では「泡宇宙」と呼んでいるのか?
ここまで解説した通り、現実の物理学では以下のようになっています。
世界線(パラレルワールド): 確率によって枝分かれしていく、同じゲームの別セーブデータ。
主人公の麦が体験した
は、科学的に言えば
に近い現象です。
右の枝(セーブデータ1): 両親が亡くなり、麦と六花(幻の六花)が生き残る。(元の世界)
左の枝(セーブデータ2): 麦が亡くなり、両親と六花が生き残る。(淡雪が見つけた世界)
では、なぜ『anemoi』では、あえて「泡宇宙」という言葉を使っているのでしょうか?
ここからは私なりの考察になりますが、
「泡」という言葉には、こんなイメージがありませんか?
触れたらすぐに弾けて消えてしまいそうな脆さ
交わることなく独立して浮かんでいる孤独感
淡雪がジャンプして見せてくれた「別の可能性」は、
です。
を、外から眺めることしかできない。
無理に入り込もうとすれば、両親や妹の六花に怯えられ、泡の表面で弾かれてしまう……。
よりも、
の方が、
や、
を表現しているからではないでしょうか?🫧
「泡宇宙」という言葉の意味を知ると、『anemoi』の物語がさらに深く、切なく感じられますよね。
次回も真澄町の風を感じながら、新たな発見を探していきたいと思います。