
🟢 はじめに
⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『anemoi』愛乃ルートの重大なネタバレ(物語の核心に迫る設定など)を含んでいます。
まだクリアしていない方や、これからご自身で「奇跡の結末」を見届けたい方は、ぜひ愛乃ルートをクリアした後に、またここへ遊びに来てください。
🗺️ はじまりの風と、星が導く奇跡の航路
今回は、Key作品『anemoi』総羽愛乃の物語をテーマにした非公式イメージソング(インスパイア楽曲)
「夢のバトン (夢幻ポップVer.)」
「風車の丘を越えて (ケルト・フォークVer.)」
の制作裏話をお届けします。
先日、Key作品の最新作『anemoi』の愛乃ルートをクリアしました。
本作は天才シナリオライター・麻枝准さんが不在ということもあり、プレイ前は期待と不安が入り混じっていました。
と。
しかし、そんな不安は杞憂でした。
愛乃が故郷に帰ってからエンディングまで一気に駆け抜けましたが、涙が止まらず、愛乃ルートで大号泣させられました🥲
涙を拭いながら、
と思いました。
そのきっかけは、大きく2つあります。
1つは、
こと。
そしてもう1つは、ゲーム内の
が、
という不思議な事実に気づいたからです。
5人のルートの中から「真っ先にクリアしたい」と惹かれた愛乃の物語。
それは、
からスタートし、
へと向かうフライトでした。
は、
を超えて、
ことに気づきました。
📝 詳しくはこちらの記事へ👇
🎧 完成した3つの世界線(楽曲バージョン)の紹介
という共通の軸を持ちながら、
ことで、愛乃の物語から「3つの異なる世界線」を描き出しました。
それぞれのYouTube動画と一緒に、こだわりのポイントをご紹介します。
🛩️『夢のテイクオフ (初夏の風Ver.)』
フルート
という、
を主役に据えたアレンジです。
を、
が優しく包み込みます。
この圧倒的な
で、
を表現しました。
🪄『夢のバトン (夢幻ポップVer.)』
が持つ、
をヒントにアレンジしました。
オカリナの温かい音色
に、
を合わせました。
さらに、
という物語のキーワードから着想を得て、
「ウィンドチャイム」
のキラキラした装飾音を散りばめています。
と、
を感じていただけたら嬉しいです。
🍀『風車の丘を越えて (ケルト・フォークVer.)』
1番の歌詞にある
という情景を、音楽ジャンルそのもので表現するアプローチに挑戦しました。
バウロン(民族打楽器)
アコースティックギター
が軽快に重なり合う
をイメージしています。
と、
を同時に詰め込んでみました。
アイリッシュ音楽特有の
空を駆け抜けるフィドルの音色
ケルト音楽に多い「タッタッタ、タッタッタ」という、スキップするような
を指定することで、まるで馬車に揺られているような、あるいは草原を軽快にスキップしているような心地よい揺れを生み出しています。
真澄町の人々に見守られながら始まる、
を表現した一曲です。
※本楽曲は、Key作品『anemoi』の登場人物・総羽愛乃の物語から深い感動を受け、一人のファンとして心からの感謝と敬意を込めて制作した非公式イメージソング(インスパイア楽曲)です。 公式企業・団体様とは一切関係ありません。
🪄 Suno AI「スタイルプロンプト」
ここからは、少しテクニカルな制作の裏側(メイキング)のお話です。
Suno AIで作曲をする際、曲のジャンルや使いたい楽器を指定する
という入力欄があります。
Key作品特有の
をSuno AIに再現してもらうため、様々な「楽器」を試行錯誤しました。
🎼 Key作品らしさを引き出す楽器
楽曲の方向性を決める上で、大活躍してくれたのが以下の楽器たちです。
🎒 メロディカ(鍵盤ハーモニカ:melodica)
学校の音楽室を思い出すような「青春・ノスタルジー」の音色。
日常曲や感動的なシーンにスッと馴染みます。
🪗 アコーディオン(accordion)
前回の記事で考察した
の異国情緒を表現するのに最適です。
少しノスタルジックな田舎町の風景を優しく包み込んでくれます。
🍃 ティン・ホイッスル(tin whistle)
RPGの村の曲や、大空を飛ぶシーンでよく使われる
です。
「風」や「飛行機」という『anemoi』のテーマを表現するにふさわしい
です。
🦢 オーボエ(oboe)
において右に出る者はいない、王道のエースと言われています。
ピアノやストリングスと組み合わせることで、感動的なメインテーマを美しく奏でてくれます。
これらの楽器をコンボさせることで、
や
など、意図した世界観をSuno AIに細かく指示していきました。
⚠️ 「120文字制限」の罠
しかし、ここで一つ壁にぶつかりました。
Suno AIのスタイルプロンプトには、
があります。
ようです💦
最初は「あれもこれも!」と欲張ってたくさんの楽器や曲調を詰め込んでいたのですが、後半に書いた一番重要な指示(例:transition to explosive rock = 爆発的なロックへの移行)がAIに届かず、全く盛り上がらない曲が生成されてしまう事態に…。
そこで、
を絞り、
を1つか2つに厳選する
を行いました。
【最適化したプロンプト例(文字数クリア版)】
このように
ことで、Suno AIというコンパイラがこちらの意図を正確に読み取り、ラストのサビに向けて最高のエモーショナルな展開を生成してくれるようになりました。
⚙️ 歌詞の「デバッグ」作業
が完成したら、次はAIに歌ってもらう「歌詞」の入力です。
人間が読んで「感動する歌詞」が、そのままAIにとって「歌いやすい歌詞」とは限りません。
Suno AIに最高のパフォーマンスを発揮させるためには、
の作業が必要不可欠です。
ここからは、私が実際に楽曲制作時に行ったデバッグをご紹介します。
📏 「文字数」7・7調の黄金律
Suno AIが最も得意とするのは、
や
で綺麗に整ったリズムです。
ここに文字数オーバーや発音しにくい言葉が混ざると、AIの足がもつれてリズムが崩れてしまいます。
例えば、
ですが、最初はこう書いていました。
❌ 今はまだまだ(7) ひよっこだけど(7)
❌ 風を集めて(7) 黄色のマルコ(7)
❌ いつかはきっと(7) 世界へ飛び立つ(8)
一見すると文字数は綺麗に見えますが、AI目線では2つの「バグ(引っ掛かり)」があります。
1つは最後の
です。
サビに向けて一番勢いをつけたいダッシュの瞬間に1文字多いため、AIが早口になってモタつくテイクになりがちでした。
もう1つは
という
です。
これも、滑らかなメロディに乗せづらい原因になるようです。
そこで、飛行機というテーマに合わせて、以下のように言葉をリファクタリング(修正)してみました。
⭕️ 今は小さな(7) 「翼だけれど」(7)
⭕️ 風を集めて(7) 黄色のマルコ(7)
⭕️ いつかはきっと(7) 空へ羽ばたく(7)
ことで、AIが全くモタつかず、サビに向けて美しくクレッシェンド(徐々に強く)してくれるようになりました。
ですが、愛乃の
はそのまま残したいと思い、今回は最小限の修正のみ行うことにしました。
⭕️ 今はまだまだ 「ひよっこだけど」
⭕️ 風を集めて 黄色のマルコ
⭕️ いつかはきっと 「空へ飛び立つ」
🎵「Aメロ」リズム改善
歌詞を書き始めた頃は、Aメロを次のように書いていました。
Suno AIに歌ってもらうと、Aメロから言葉をタメてリズムがおかしいテイクが多かったので、
を削り、
に文字数を揃えてみました。
また、
という歌詞を
に変えることで、情景のスケールを少し広げてみました。
🔥 ロックで感情を爆発させる「母音」の工夫
で、Suno AIに
という時に使える小技があります。
ラスサビの
のところですが、歌詞を書き始めた当初は
と書いていました。
激しいビートに乗せる時、
のように
が続くと、言葉のパンチ力が弱く、
傾向があります。
そこで、今回は
という言葉を採用しました。
「え」や「あ」といった、
を中心に構成されているため、
に乗せて、AIが思いっきり感情を込めてシャウトするように歌い上げてくれるようになりました。
⚠️ AIの暴走(処理落ち)を防ぐ言葉選び
Suno AIを使っていて、急に同じ言葉をループしたり、宇宙語を話し出したりする
を経験したことはありませんか?
実はこれ、
が原因だと言われています。
一番危険な罠が
の直後に
などの母音が続くパターンです。
このように音が繋がってしまうと、AIが
を起こしやすくなります。
という歌詞をAIに歌わせると、
という「ハルシネーション」が発生するテイクが多発しました。
これを回避するため、
に置き換えました。
「ん」を排除したことで、AIが非常に滑らかに、かつ力強く歌い上げてくれるようになりました。
🎶 「Aメロ」リズム改善
サビの
のところですが、歌詞を書き始めた当初は
と書いていました。
ので、
を
に変えることで、
という事実を強調し、Key作品らしい切なさを表現してみました。
🎬 エンディング(Outro)は文字数無視でOKか?
と思うかもしれませんが、例外もあります。
は、「エンディングのスタッフロール」のような特別な空間です。
プロンプトに
と指示を出せば、AIはビートの枠組みから外れてテンポを自由に揺らし、文字数を気にせず、言葉をたっぷりと伸ばしてくれます。
🌅 おわりに:夢のバトンを受け取って
現実の愛乃さんが見つけた「太陽」
Suno AIでメロディを紡ぎ、歌詞のデバッグを繰り返しながら、私の脳裏には常にあの「奇跡のエンディング」がフラッシュバックしていました。
彼女が、真澄町で過ごした「夢の中の愛乃」から力強い『夢のバトン』を受け取り、自らの足で歩き出し、大空へと飛び立つ——。
「夢の中の愛乃」が残したその言葉通り、「現実の愛乃さん」が希望に向かってテイクオフする姿に、何度思い返しても涙が止まりません😭
今回、Suno AIの力を借りて、私に圧倒的な感動を与えてくれた作品へのリスペクトを「音楽」という形で表現できたことは、本当に楽しくて、かけがえのない体験になりました。
この記事が、AI作曲に興味のある方や、Key作品の感動を自分なりの形で表現してみたいと思っている方の参考になれば幸いです🙌
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!