
🟢 はじめに
⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『Kanon』栞ルートの重大なネタバレ(物語の核心に迫る設定など)を含んでいます。
まだクリアしていない方や、これからご自身で「奇跡の結末」を見届けたい方は、ぜひ栞ルートをクリアした後(またはアニメ視聴後)に、またここへ遊びに来てください。
今回は、私がSuno AIで作曲した『Kanon』美坂栞の非公式イメージソング(インスパイア楽曲)「冬色のキセキ」の制作裏話をお届けします。
これまでも、月宮あゆ、川澄舞、沢渡真琴など、私にたくさんの感動を与えてくれたKey作品のヒロインたちへのリスペクトを込めて楽曲を作ってきました。
今回のテーマは、「普通に生きられることのありがたさ」です。
不治の病を抱え、ただ「普通の女の子」として生きたかった栞の切なくもピュアな想いと、あゆとの出会いがもたらした「キセキ」の物語。
Suno AIを使った楽曲制作の裏側をお話したいと思います。
⛲️ 楽曲のテーマ:「普通の女の子」でいるための1週間
Kanonのヒロインの一人である美坂栞は、重い病気を患っており、医者から「次の誕生日は迎えられないだろう」と宣告されていました。
そんな彼女が主人公の祐一にお願いしたのは、「誕生日までの1週間、私のこと、普通の女の子として接してください」ということでした。
なぜ、ずっとそばにいてほしいと願わなかったのか?
それは、「病気で苦しむ姿を見せず、綺麗なままの『普通の女の子』の思い出だけを残したかったから」です。
そして、その運命の誕生日(2月1日)を越えた先で、もう一人のヒロイン・月宮あゆの願いと共鳴し、栞の病気が治るという奇跡が起きます。
当たり前のように明日が来る「普通の人生」。
それがどれほど尊く、ありがたいことなのか。
栞の物語は、私たちにそれを痛切に教えてくれていると思います。
この「凍てつく冬から溶け出す春の雪解け」のようなドラマを、『冬色のキセキ』というタイトルに込めました。
📝 歌詞に込めたこだわり
今回の作詞では、栞の想いが聴く人にまっすぐ届くように、J-POPの王道である七五調(7音・5音のリズム)を意識して言葉を紡いでみました。
私は誰かの(8) 夢の中(5)
流れる噴水(8) 見つめてる(5)
完璧な七五調(7音・5音のリズム)ではありませんが、Suno AIが歌いやすいリズムを意識しています。
また、作詞を始めた当初は、「誰の視点なのか?」分かりづらい歌詞を作っていました💦
「あなたって誰のこと?」
[Verse 2]
あまりに辛くて あきらめる
あなたはわたしを 避けていた
[Pre-Chorus]
みんなで祝った 誕生日
生まれてくれて ありがとう
一緒に笑った あの時間(とき)が
あなたがくれた プレゼント
[Verse 2]
あまりに辛くて あきらめる
姉はわたしを 避けていた
[Pre-Chorus]
みんなで祝った 誕生日
生まれてくれて ありがとう
一緒に笑った あの時間(とき)が
あなたがくれた プレゼント
栞の物語には、祐一、月宮あゆ、姉の美坂香里など、複数の人物が登場するため、歌詞全体を栞視点に統一しました。
姉=美坂香里
あなた=月宮あゆ
こんなにきれいな 噴水を
ずっとずっと 見ていたい
別れる前に 君に聞く
私、笑って いられましたか?
「私、笑っていられましたか?」というセリフは、栞が最後まで普通の女の子として振る舞えたかを確認する、作中の名シーンです。
✍️ 作詞で工夫したこと
🎶 Aメロ
君と出会った 木の下で
J-POP王道の七五調に近い字数なので、Suno AIがきれいに歌ってくれると期待していましたが、「木の下で」をタメて歌うテイクが多かったので、「あの」を入れて7文字にしてみたらスムーズに歌ってくれました。
君と出会った あの木の下で
🎶 Bメロ
私も普通に 生きたいと
君と過ごした 一週間
「一週間」という言葉の響きが歌いにくいのか、いいテイクが生まれなかったので、七日間(なのかかん)に変えたところスムーズに歌ってくれました。
私も普通に 生きたいと
君と過ごした 七日間(なのかかん)
🎶 サビ
AIに歌わせていると、「なんだかロボットみたいに平坦に歌ってしまう」「早口でリズムに乗れていない」という壁にぶつかることがあると思います。
今回、サビの歌詞でこんな工夫をしました。
⭕️ 「なんにもできない 毎日が」
これは音楽用語で「シンコペーション(跳ねるリズム)」や「タメ」を作り出す効果があると言われています。
音が平坦に3つ並んでいるため、AIがお経のように「タ・タ・タ」と真っ直ぐ歌ってしまい、メロディの枠に無理やり言葉を詰め込もうとしてつまずくことがあります。
adding: 1em 1.5em; border-radius: 8px; border-left: 6px solid #8c7b6b; margin-bottom: 2em;"> 「なんにも(Na-N-Ni-Mo)」
ここからはAIを使った作曲の裏話です。
レストランのシェフに、どんな味付けのコース料理を作ってほしいかオーダーするイメージです🧑🍳
今回、私がSuno AIに入力した「オーダー表(プロンプト)」はこちらです。
Bittersweet but hopeful(切ないけれど希望に満ちた)
Gentle acoustic piano intro(優しいアコースティックピアノのイントロ)
Sweeping strings(流れるようなストリングス)
Clear soft female vocal(透明感のある柔らかい女性ボーカル)
Building up to the end(最後に向かって盛り上がる)
Warm and hopeful ending(温かく希望に満ちたエンディング)
雪の儚さをピアノで、止まらない噴水の生命力をストリングス(弦楽器)で表現するように指示を出しています。
✅ 隠し味:パラメータ調整
Suno AIには曲の個性を決めるパラメータがあります。
今回は王道の設定から少し変えて、「Weirdness(意外性): 45% / Style Influence(スタイルへの忠実さ): 70%」というバランスに設定しました。
基本のJ-POPのルールを守りつつ、AIならではのドラマチックな「隠し味」が効いて、切ないメロディを引き出すことができました。
▼今回制作した楽曲はこちら👇
※本楽曲は、Key作品『Kanon』の登場人物・美坂栞の物語から深い感動を受け、一人のファンとして心からの感謝と敬意を込めて制作した非公式イメージソング(インスパイア楽曲)です。 公式企業・団体様とは一切関係ありません。
🎨 Adobe Fireflyで描く「透明なキセキ」
最後に、楽曲の世界観を伝えるサムネイル(ジャケット画像)の制作です。
Key作品特有の「透明感」や「ノスタルジックな冬の空気感」を出すために、高品質な画像生成AIであるAdobe Fireflyに以下のような指示(プロンプト)を出してみました。
背景: 凍らずに動き続ける巨大な噴水と、遠くの天使の彫像。
光と色: 神秘的で温かい光(奇跡の表現)、透明感のある色彩。
画像生成のコツは、「ピントをどこに合わせるか」をカメラマンのように指示することです📷
今回は少女の「明日へ続く笑顔」にピントを合わせ、背景の噴水や町明かりを柔らかくぼかすことで、冷たい雪景色の中にある「温かさ」を表現してみました。

🟦 おわりに
「普通に生きられること」は、決して当たり前ではなく、奇跡の連続なのかもしれません。
栞が自らの決心と、周りとの絆によって掴み取った「明日へ続く笑顔のキセキ」。
この楽曲を通して、Kanonの素晴らしい物語の魅力が少しでも伝われば嬉しいです。
この記事が、これからAI作曲にチャレンジする方の参考になれば幸いです🙌
Suno AIを活用した音楽制作のノウハウをまとめた初心者向けシリーズです。
【こんな記事をまとめています】
🎹 基礎的なプロンプトの書き方とコツ
🎹 「Extend機能」などを使った自然な楽曲展開の作り方
🎹 インスパイア楽曲の制作裏側(試行錯誤の記録)
音楽の専門知識がなくても大丈夫です。 プログラムと対話するようにAIへ指示を出し、あなただけのメロディを奏でるヒントをお届けします。