
🟢 はじめに
⚠️ 【ネタバレ注意】
この記事は『anemoi』エタニクル編・アネモイ編の重大なネタバレ(物語の核心に迫る設定など)を含んでいます。
まだクリアしていない方や、これからご自身で「奇跡の結末」を見届けたい方は、ぜひエタニクル編・アネモイ編をクリアした後に、またここへ遊びに来てください。
麦、スピカ、穂乃夏と紡いできた家族の物語のインスパイア楽曲制作裏話。
今回は、そのすべてを
である玖琉未(風の女神ニンリル)をテーマにした楽曲です。
🎧 完成した楽曲はこちら
これまでが
だとしたら、今回は
です。
アネモイ編の壮大な世界観と、風の女神ニンリルの深い愛について、作詞とSuno AIへのプロンプト設定の両面から振り返ってみたいと思います。
🌍 4億4000万年の孤独と、人類への母性
玖琉未の楽曲を作る上で欠かせなかったのが、
の表現です。
オルドビス紀のガンマ線バースト、恐竜の絶滅、そしてシュメール文明の時代……。
大洪水から人類を守るため、かつての同胞たちが風や海などの「自然」に溶け込んでいく中、彼女だけが知識を与えるために「個」としての形を保ち、風の女神ニンリルとして残り続けました。
すべてが移り変わる中で、ただ一人取り残される永遠にも等しい孤独。
それでも彼女は、人類を「自分の子供」のように愛し、何度も理不尽な厄災から救おうと見守り続けてきました。
🕰️ 時の牢獄と、残酷で美しい「呪い」
そしてもう一つ、作詞する際に核となったのが
という時間の牢獄です。
現世の1秒が、10000秒に引き延ばされる世界。
は、麦にとってはほんの数分の出来事でも、スピカの主観時間では
になります。
普通ならとっくに心が折れて風になっているはずの10万年という時間を、スピカに「人のまま」耐えさせているのは、他でもない麦の日記だったということが、玖琉未(風の女神ニンリル)から明かされます。
永遠を生きる女神だからこそ痛いほど分かる、その「優しく心を蝕む呪い」の残酷さ。
それでも互いを想い合う人間の美しさ。
これらを楽曲のクライマックスで描こうと考えました。
🎻 シュメールの母なる風(Acoustic Mythical)
今回、
の楽曲を作るにあたり、Suno AIに
というスタイルを指示しました。
イメージしたのは、
ような、親密で温かいアコースティックの音色です。
ここで活躍したのが、プロンプトで指定した
という楽器です。
中東やアルメニア発祥のこの木管楽器は、
が特徴で、
を表現するのにぴったりでした。
そこに、
🔹少し大人びたジャジーな和音
をブレンドすることで、神聖さの中に「人間の温かさ」が混ざり合う、木漏れ日のようなサウンドを表現してみました。
⏳ 4億年の記憶と、時の牢獄
それでは、実際の歌詞と、Suno AIにどのような指示を出して曲を展開させていったのかを振り返ります。
🌌 [Aメロ]:宇宙の厄災と、母の眼差し
降り注ぐ光の雨に 命は散った
4億の時を超えても 忘れないわ
悲しき運命(さだめ)に抗う 小さな鼓動を
曲の冒頭は、
と、その厄災の中で懸命に生きる生命(小さな鼓動)への愛を歌い上げます。
Suno AIには
🔹gentle storytelling(優しい語り聞かせ)
と指示を出しました。
壮大な宇宙の歴史を歌いながらも、女神として見下ろすのではなく、「わたしの愛しい子供たち」へ語りかけるような、切なくも美しいボーカルの指示を出しています。
⏱ [Pre-Chorus]:1秒が永遠になる「時の牢獄」
無限の時を生きる 私でも耐えがたい
10万年の孤独 時のクルヌギア
すべて忘れて風になれば 楽になれるのに
Aメロの静かな語りから一転し、Bメロでは、スピカが囚われている
の絶望的な環境を描きました。
現世の1秒が1万秒になり、心が悲鳴を上げる10万年の孤独です。
ここから、女神の感情が少しずつ昂っていきます。
プロンプトには
🔹steadily growing sorrow(徐々に増していく悲しみ)
を指定しました。
ボーカルも
と指示し、サビでの感情の爆発に向けた「タメ(緊張感)」を作りました。
🟦 愛という「呪い」と、すべてを包む祝福
楽曲はここから、風の女神ニンリルの感情が最も激しく揺れ動く、最大のハイライトへと向かいます。
🌪️ [サビ]:優しい呪いへの、悲痛な叫び
27年を 待つほどの痛み
愛という名の 優しい呪いが
彼女を人のまま 繋ぎ止めている
すべてを捨てて 諦めるのも
本当の優しさと 知らないままに
どうしてあなたたちは いつも いつも
自分より愛しい人を 優先するの!
麦が毎日書き続けた「10年日記」。
それは麦からすれば1日1回の数分の出来事でも、クルヌギアの最奥にいるスピカにとっては
です。
普通なら風になって楽になれるはずのスピカを「人のまま」過酷な環境に繋ぎ止めているのは、他でもない麦の愛という名の「優しい呪い」なのだと、玖琉未は語りました。
ここでは、その残酷な事実への嘆きと、
という風の女神ニンリルのやり場のない母性を、8行の詩に込めました。
Suno AIには
🔹crying with emotion(感情を込めて泣くように)
と指示を出しました。
オーケストラの派手さよりも、生楽器だからこそ出せる「切実な叫び」を響かせるサビにしました。
✨ [Cメロ]:静寂と、奇跡への気づき
一日一日を 懸命に生きた
その当たり前の 軌跡こそが
すべての想いを ここへ呼んだのね
愛しいという その感情が
アルミアスがくれた 一番の力
愚かで愛おしい わたしの子供たち
どうかその手で 未来を紡いで
サビが終わった直後、Suno AIに
という指示を入れ、そこから、
が再び静かに響き始めます。
ここで玖琉未は、
だと思っていた人間の愛こそが、実は10万年という途方もない時間を打ち破り、
を引き起こしたのだということに気づきます。
🔹building up to a warm glow(温かい輝きへと盛り上がる)
という指示で、嘆きの女神から「すべてを許容する母」へと表情が変わる瞬間を描きました。
🌅 [ラストサビ] & [アウトロ]:永遠の祝福と、風への回帰
風の回廊の 最奥で輝く
すべての記憶が 交わる場所
あなたが紡いだ 愛の絆が
途方もない時を 今、超えてゆく
さあ、顔を上げて 光の向こうへ
もう二度とその手を 離さないでね
わたしの愛しい 子供たちよ
永遠の幸せを 風に祈ろう
(アウトロ)
優しい風に すべてを乗せて
祝福の光で 包み込もう
わたしはずっと 見守っているわ
あなたたちが紡ぐ 愛の奇跡を……
ラスサビは、
という指示で、木漏れ日のような温かい光が画面いっぱいに広がるようなシーンを描きました。
残酷な呪いとして引き剥がそうとした女神が、最後は「もう二度とその手を離さないでね」と力強く背中を押し、人類の幸せを祈ります。
そして、アウトロでは、
と指示を出して、楽器の音が一つ、また一つと消えていき、最後は遠くの風の音だけが残るようなイメージを描きました。
のような、温かいけれど少しだけ切ない幕引きを演出してみました。
✍️ おわりに
麦の泥臭い強さ、スピカの果てしない慈愛、穂乃夏が受け継いだ光の種。
『anemoi』が与えてくれた感動をインスパイア楽曲として作り終えた今の気持ちを例えるなら、
ような、そんな深い達成感と、少しの寂しさに包まれています。
4億4000万年という永遠にも等しい時間を生き、残酷な運命に翻弄されながらも、最後には人間たちが紡いだ「当たり前の奇跡」を誰よりも優しく祝福してくれた玖琉未。
彼女のすべてを包み込むような深い母性を、
に乗せながら音楽で表現することができて、これ以上の喜びはありません。
改めて、私の人生において一生色褪せない、これほどまでに感動の涙が溢れ出す物語を生み出してくださったKeyの皆様に、心から最大限の感謝を申し上げます😭
これからも好きな作品から受け取った感動を「音楽」という形に変えて、マイペースに発信していきたいと思っています。
皆様の明日が、ニンリルの優しい風に包まれる温かい一日になりますように。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。